当窯の作品をお買い上げいただいた場合、

当窯の考え方に基いた器の使い方を記したリーフレットを添えています。

以下に同じ内容を貼付します。

ご熟読頂ければ幸いです。

 

 

  陶 器 の 育 て 方                       御茶碗屋つきの虫 

 

         陶器には「育てる喜び」があります。反面、扱い方や手入れの仕方にも多少の心得が必要です。

それを怠ると「汚れや臭い、カビや傷」をつけることになります。そこで、以下をご留意下さい。

 

1、吸水性について

       新しい陶器は急激に水分を吸収します。したがっていきなり使用しますと、煮汁や茶渋、油脂分などが大量に吸収され、    

汚れやカビの原因になります。

使いおろす前に、清水に一時間ほど浸して器体に充分水を吸わせてからご使用下さい。

  ・使用後は早めに水に浸けて台所用洗剤で洗ってください。

  ・洗った後は、水気をふいて乾燥させてから、戸棚などに収納して下さい。

  ・以降、ご使用前には清水かぬるま湯にくぐらせてからご使用下さい。

  ・食器乾燥機で乾燥後は、再度清水に充分浸してからご使用下さい。

    《参考》煮沸について・・・

     消毒殺菌効果を狙ったものです。カビを発生させてしまった後などや、長期保管後の使用前には煮沸をお

勧めします。使用前に米や糠で煮沸することは、かえって器体に入り込む米や糠にカビを発生させる恐れ

がありますので、一般にはお勧めできません。   

        花入れの場合も、吸水性を有するため、水をいれたまま一ヶ所に長時間留めますと、染み出しや結露でテーブルや台を

濡らす恐れがあります。敷物の上でご使用下さい。

  

二、貫入について

       薩摩焼には陶器表面に小さな釉薬のひび(貫入)や石ハゼを特徴としているものがあります。そこで、白薩摩や荒土等

の器には全て防水コート処理を施し染みの浸透を抑えています。それでも時間の経過とともに染みが入っていき、それ

が陶器の味となってきます。どうぞ貫入陶器の侘び寂びの世界をお楽しみ下さい。

 

三、カビが出てしまったら

       台所用洗剤でよく洗い、煮沸して、天日でよく干してからお使い下さい。

       台所用漂白剤で浸け置き洗いをしますと、より汚れやカビは落ちますが漂白剤の臭いが残ってしまいます。煮沸と天日

干しを、幾度か繰り返すことで取れてきます。

 

    四、破損について

器は、その原料や製法、形状により、衝撃に弱いものがあります。洗い桶に無造作に入れ、雑に洗ったりしますと、縁が

欠けたり傷をつける恐れがありますので、一つ一つ丁寧にご使用下さい。

 

五、機器類の使用について

電子レンジ、オーブン、食器洗い機のご利用はお控え下さい。器は急激な温度変化によりヒビや割れを起こしたり、釉薬

や絵具を劣化させる場合があります。食器洗い機の場合、水流や振動による衝突などで欠けやヒビ割れを起こす場合

があります。食器洗い機の洗浄液が釉薬や絵具の色ツヤを劣化させる場合があります。

(器を末長くお使いいただくために、こうした機器のご利用はできるだけご遠慮ください。機器類の利用に強い器もあり

ますので、ご利用される場合はご相談下さい。)

 

六、欠け茶碗になってしまったら

欠けた陶器は、怪我をする恐れが有りますので、ご使用はおやめ下さい。

リペアできる場合もあります。ご希望の方はご相談下さい。

 

七、高台の裏(底)について

高台の裏はサンダーをかけてざらつきをとっていますが、砂や石の多い陶器では、完璧にそれを取り除くことはできませ

ん。テーブルやお盆の上を引きずるとその表面にキズをつけますのでご注意下さい。

 

八、直火について

   陶器は直接火にかけないで下さい。破損する恐れがあります。

 

九、上絵付の器について

絵具は器面に直接焼き付けています。強く擦り洗いを続けると絵具が薄くなる可能性があります。

絵具の部位は出来るだけ柔らかなスポンジで優しく洗ってください。

 

以上のような事をお守りいただきますと、時がたつほどにさらにワクワクする器へと育っていく品たちでございます。

ぜひとも末永くご愛用下さい。

なお、器たちの不備につきましては細心の注意を払っておりますが、天然土モノゆえ、色目や肌合いの違いヒビや欠け、

水漏れ起こす、などいろいろな子がいます。

ご不満な点やお気づきの点がございましたら遠慮無くお申し付け下さい。

 

 

 

 



 

当窯の黒千代香(くろちょか)の場合、以下のリーフレットを添えています。

ご熟読頂ければ幸いです。

 

直火可 

黒千代香(くろちょか)の使い方

使い始めの前に・・・

1・黒千代香をさっと洗ったら、外側の水気を良くふき取って下さい。

2・お好みで水割りした焼酎を黒千代香に八文目くらいまで入れて下さい。

   (入れすぎますと、口部又は蓋部より吹きこぼれます。ご注意下さい)

3・ガスコンロや炭火などで使用できます。

  (火力の強いガスコンロなどではすぐに沸騰してきます、

弱火でゆっくりと温めるようにして下さい)

4・電磁調理器や電子レンジは使用できません。

5・温まった黒千代香は、耐熱性の敷台の上に置いてお楽しみ下さい。

6・竹製の取っ手の場合。しっかり本体に掛かっている事を確認してください。

掛かりが悪い場合、使用中に外れてしまう可能性がありますのでご注意下さい。

引掛部に力がかかると欠ける可能性があります、無理に力を加えないでください

7・真鍮製の取っ手の場合。しっかり本体に掛かっている事を確認してください。

  取り外す際は、器体の引っ掛け部を損傷しやすいのでゆっくり丁寧に取り外してください。

引っ掛ける力が弱まると器体から外れやすくなる可能性がありますので、取っ手を広げて、引っ掛ける力を適度に調整してください。

 

参考

使い始めは、器体から焼酎がにじみ出てくる場合があります。

使用を重ねてきますと止まってきますのでそのまま御使い下さい。

器体に焼酎が浸み込み、味わいのある黒千代香になってきます。

結露や染み出しで敷台が濡れる場合がありますので御留意下さい。

 

 


 

つきの虫

 

 窯の火を止める時も、ろくろの手の加減も、

 

「虫の知らせ」を大切に感じながら制作を続ける。